カテゴリー「iOS」の3件の記事

2017/10/12

iPad で室内楽

iPad に楽譜を映して弾くという話をちらほら聞き始めた頃、「ボロメーオSQ」という名前が耳に入り、ブルーローズに聴きに行った。
iPad でなく MacBookPro を使っているらしいのは既に聞いていて、横長画面に見開き二頁の楽譜を映すのだろうかと想像していたが、見たら違った。映していたのは一頁だけ。
画面の縦の長さが理由だっただろうか。

その後に、この記事を読んだ:

 

印刷された楽譜の代わりに、みんなでMacBook Proを使って演奏するというのがおもしろい

 

その時はまだ、自分で室内楽を弾くのを再開していなかったし、iPad Pro も存在せず画面が小さ過ぎるのではないかと思って見送っていた。
ただし、紙の楽譜から離れた理由は強く印象に残っていた。

 

なぜ楽譜をデジタル化するかについては、まずはスコアを見ながら演奏したいというのが出発点だったとか。ヴァイオリンのニコラス・キッチンによれば、パート譜で演奏していたころは、練習時間の多くが他人が何を弾いているのかを確かめるために費やされていたけど、4人がスコアを見れば効率的である、と。さらに「作曲家がアンサンブルに同一性を求めなかった場合でも自信が持てる」ということで、ベートーヴェンがそれぞれの楽器に異なる弾き方を要求しているときに、すぐに発見できるのが利点。さらに練習では手稿譜もデータで参照しているそう。

 

その本番で、手稿譜を使っているのを見た。
繰り返しや da capo は、単純に演奏順に頁が並ぶように、つまり必要によっては同じ頁を二枚入れた pdf ファイルを作っていると聞いた。

 

二年ほど経って、iPad Air 2 は既に家にはあり piaScore の存在も知ってから、十数年振りに弦楽四重奏を弾くことになった。
iPad Pro はまだ世に出ていなかったように思う。見開き二頁見られる A3 の画面があったらよさそうだと思った記憶があるから。
ともかく、この時は紙の楽譜を使った。せめて A4 大の有効画面が欲しいと思ったのと、ペダル (AirTurn PED) を買うのに躊躇したのが理由。

 

だが、「スコアを見ながら」は気になっていたので、紙で実行してみることにした。
コピー機が扱える大きさで A3 を紙の一頁にし、そこに楽譜の四頁を収めると、見開きでスコアが八頁になる。そこに一楽章が収まったのだったか、長い休みを使って一回譜面をめくることにしたのだったか忘れたが、その巨大な楽譜を使って演奏会の本番まで弾けた。
ただし、この大きさの紙を譜面台に載せても縁が垂れてしまうので、A3 のボール紙を二枚つないだものを支えとして載せ、その上に楽譜を置いた。
二重奏やチェロアンサンブルで全パートを見ながら弾く経験が少しはあるが、弦楽四重奏では初めて。

 

まず、初見で弾くのがとても楽。誰が何を弾いているか (弾くべきか) を知って弾くので、落ちる (現在、譜面上のどこを弾いているかわからなくなる) ことがほぼなくなる。
曲の全体像が見えているので、自分が誰と一緒に弾くのか、あるいは誰から受け取って誰に渡してフレーズになっているのか、わかって弾くようになった。合せる前に予習しておくべきことだけれど、昔はできていなかった。

 

そうこうしている内に iPad Pro が出た。次の演奏会の予定が決まったところで、Apple Pencil と AirTurn PED と一緒に買った。
piaScore を入れてみたら、基本機能 (無料版) として pdf 楽譜が表示できるが、IMSLP にあるものは pdf ファイルを意識することなく、直接検索して使える。
有料版にすれば、一頁ごとの写真ファイルから一連の楽譜が作れるので、紙の楽譜をスキャンして使うこともできる。
なお、piaScore を試すのは iPhone でも可能。演奏は難しそうだが、楽譜を読むだけならこれで充分。

 

iPad Pro なら Apple Pencil が使えるので、書き込みは鉛筆で紙に書くのと大差なくできる。書き込みに層構造が使えるともっと有り難いのだが、今は一層しかない。色分けできる利点はあり、紙と同様に「消しゴム」で修正することもできる。
臨時記号や弓記号などの「スタンプ」が使えるが、これは練習中に書き込むのは難しい。とりあえず Pencil で書き込んでおいて、後で綺麗にするのには使える。
テキスト機能もあるが、これはペダルが bluetooth keyboard に見えているようで、ペダルを切るかペダル側のボタンを押さないと文字入力ができない。これも、一人の時に綺麗に書き直すのに使う程度。

 

予想外に苦労しているのは、ペダルの扱い。
単純に左右二つのスイッチがあるだけなのだが、靴底によって動作が違って感じられるし、意図せず二回踏んでしまうことがあって、慌てて戻すことが割とよく起きる。
頁を上下半々に分けてめくる機能があり、これは先読みできるので便利。ただし、踏み間違いで戻る時には混乱する。
iPad を横長に置くと、二頁表示になる。これも、二頁単位でめくることと、一頁ずつめくって先読み可能な表示にすることができる。
ペダルの bluetooth device としての pairing は、最初に一度やればよいはずだが、デバイスが iPad から見えているのに譜めくりができなくなる事故が、数回あった。これは、双方でペアリングを reset し、最初からやり直すと再び使えるようになった。

 

この後、iPad Air 2 も楽譜として使うようになった。軽いことの利点が大きい。
画面が小さいことは、案外問題にならない。譜面が明るいことが効いているようだ。管弦楽でスコアで弾くことはあまりなさそうだが、pit に入って使うのには圧倒的に紙より便利だと思う。
書き込みは、指ではかなり雑にしかできないが、「iPad 用」を謳った stylus (?) を使えば、そう困らない程度には書ける。

2013/09/17

QWERTY キーボードとタッチパネル入力と英語と日本語

前に、「smartphone は日本語以外で画期的だった」  という記事を書いてから、そういう指摘は方々で既にされていたことに気がついた。
一方この記事は、自分のしていることを観察して感じたこと。

ある日本の友人は、日本語を解さないご友人も多いようで Facebook にしばしば英語で投稿している。
それにコメントを書く時、自分が PC に向ってハードウェアキーボードが使えるなら、迷いなく英語で書いていることに気がついた。
ところが、その投稿を見るのが iPhone であった場合、よほど必要性を感じない限りは日本語でコメントしているのであった。

iPhone はタッチパネルなのだから、QWERTY 入力にすることは難しくない (ローマ字 QWERTY キーボードは削除してあるので、地球マーク一押しの切替である)。
画面が縦だとミスタッチが多いが、横にすればその問題も避けられる。
しかし、QWERTY キーを「見ながら」入力するのが、私には大変苦痛なのだということを改めて認識した。
日本語を 10 キー表示で入力する時だって、iPhone ならばキーを見ないで入れられる訳ではない。ハードウェアキーを持つ日本の携帯電話に比べたらはるかに面倒な作業である。
それでも、タッチパネルで入れるには、キーの数が少い日本語の方が QWERTY しか現実的入力手段を知らない言語より自分には抵抗が小さいというのに気がついて、意外に思っている。

私はタブレットを持っていないのだが、ハードウェアキーボードを付けない限りは、あまり使いこなせないかも知れない。

Tweet ATOK による英語入力

なお、iPhone で英語を入力するには、Tweet ATOK  が日本語に限らず便利である。

キーボードの切り替えには、切替キーをタップする方法しか書いていないが、
ATOK Pad と共通の 設定の変更 -> キーボードや変換などATOKの設定を変更する -> ●キーボード -> 使用するキーボード -> 画面の向きごとに選択
を [オン]にすると、[キーボード選択(縦画面)]と[キーボード選択(横画面)]を独立に設定できるようになる。ここで、縦を「テンキー 日本語」横を「QWERTY 英語」にしておけば、iPhone を横にするだけで QWERTY に切り替わり、縦にすれば日本語 10 キーに戻る (おそらく、iOS レベルで縦横切替をロックしていてはだめだろう)。QWERTY 入力には横長の方がミスタッチが少くなるから、大変使いやすい。

さらに、候補の選び方(推測変換) には日本語についてしか書いていないが、英語入力でも (辞書と使用単語履歴を使った) 推測候補を出してくれる。
推測候補は、単語の冒頭を入れた時にも出るし、前の単語を確定した時点でも次に来る単語の候補を出してくれる。確定した単語の後には必ず空白が入るが、気にせずに句読点を入れれば、それは空白の前に入れてくれるから、スペースを気にする必要はほとんど感じない。

日本語と同じく、入力しかけで放置しておいても、その状態を保存して復元してくれるので、長いものを少しずつ書き貯めるのにも適している。
一つ大きな問題は、ミスタッチで書きかけのものを Twitter に投稿してしまう事故があり得ることだが、それは専用の private 設定のアカウントを取っておけばよいと考えている。
tweet してしまったテキストは入力画面からは消えるが、タイムラインからコピーして来ることはできるので、書き貯めたものを失うことは通常はない。

2013/03/24

iOS の漢字変換辞書が学習しなくなった

電話サポートを受けて最終的には解決したが、大変遠回りしたので、同じ症状に出会った方のために記録しておきます。

要点

辞書が頻度学習しなくなったら、「キーボードの変換学習をリセット」すればよい。 「キーボード辞書を工場出荷時のデフォルト状態に戻します。」の警告を恐れる必要はない。 (もちろん、私には同じ結果を保証することはできないので、バックアップを取った上で試して下さい)

 

経緯

発症

iPhone 4 で起きた。iOS 6.1.2 にした頃、漢字変換で直近に確定した文字列が、予測変換候補に全く出てこなくなった。

 

症状

たとえば、「てん」で「…」を確定することを 10 回繰り返しても、「…」は「て」を入れても「てん」を入れても、候補の先頭行には出てこない。「てん」の単漢字候補の下の方にあるだけで、全く学習している気配がない。

 

OS バージョンアップ

iOS 6.1.3 が出たので、直ることを期待してバージョンアップした。が、症状に変化はなかった。

 

ハードウェア更新

このタイミングで iPhone 5 に乗り換えた。本題に影響ないが、キャリアは SoftBank から au に変更。 iPhone 5 は、私が買った端末では iOS 6.1 であった。

 

OS バージョンの影響

iOS 6.1 の初期状態では、上の症状はなかった。 しかし、iPhone 4 の、症状の出ているバックアップ (iOS 6.1.3) を iOS 6.1 上に復元したら、症状も復元された。 一方、iPhone 4 の方を iOS 6.1.3 の初期状態にしたら、症状はなくなった。つまり、予測変換の学習ができるようになった。 今回の予測変換学習不能の症状には、iOS は 6.1 から 6.1.3 まで関係ないことがわかった。

 

サポート

初めて、Apple の電話サポートを申し込んだ。

 

サポートシステムの問題

予約した時刻に電話がかかってきたが、「オペレータによるサポート」を意味する「1」を押した後で、回線が切れた。 こちらからかけ直したらすぐつながり、さほど待たずにオペレータにつながったが、電話サポートシステムに問題があるようだ。

 

電話サポートの仕組

最初に、一般の「アドバイザー」が応対する。わからないことがあると、回線を保留にして訊きに行き、そこで教えられた解決法を試す。 それでも埒が開かないと、それまでの経過を文字にした後に、「シニアアドバイザー」に回す。

 

サポートが採った解決手順

     
  1. 手元に同じ iPhone 5 (OS 不明) を持って、同じ操作をさせ、結果を比べる。
        当然、こちらの iPhone は変換結果を学習せず、サポート側では学習する。それを、同じ確定操作を 10 回以上やらせて、念入りに確認した。  
  2. 「すべての設定をリセット」を試させる

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        設定はリセットされるが、「お客様の貴重なデータが失われることはありません」と言う。
        しかし、登録単語が失われるか問うと、答えられない。     それ以前に、「辞書に登録した単語」と言っても、それが何であるかを理解できない。それは、シニアアドバイザーも同じ。     どのように登録し、どこで見られるかを説明して、やっとそういう機能があることを理解したようだ。     Apple のシニアアドバイザーでも、ユーザー単語を登録したことがない例があることを知って、驚いた。     日本語を iOS で書いたことがないのか?      
  3. こちらが、辞書が失われる懸念を持っていることを伝えたので、シニアアドバイザー氏が実際に「すべての設定をリセット」をやってみて、登録単語が消えないことを確認した。      
  4. こちらが少なくとも iPhone 4 でのバックアップを持っていることを確認し、「すべての設定をリセット」を実行させた。
        症状は変わらず。      
  5. 「キーボードの変換学習をリセット」を試させる

        登録単語を確保するため、iCloud には前日のバックアップがあったが、その時点のバックアップを iTunes に取らせた。
        実際にリセットしようとすると、確認画面で「キーボード上で入力したすべてのカスタムワードを削除し、キーボード辞書を工場出荷時のデフォルト状態に戻します。」という警告が出る。     これを見たら、登録単語も消えると思う人がほとんどではなかろうか?

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        ともかく、リセットを実行した。     その結果は警告の印象に反していた。    
            
    1. 登録単語は保存されていた       
    2. 症状はなくなった。つまり、予測変換候補には、最近確定した文字列が、候補として出てくるようになった    
        つまり、これが最短の解決法であった。

結果論

最短の解決法

今回の症状に対しては、「キーボードの変換学習をリセット」が解決法であった。
「キーボードの変換学習をリセット」により登録単語が消えないことを、サポートは知っているべきだし、警告はそのことがわかるように書き換えるべきである。

 

被害

     
  1. 以上のサポートに、およそ一時間半かかった      
  2. iOS の設定がほとんど消えた (たとえば、時計のアラームも)

Apple への要望

今回、シニアアドバイザー氏が知ったことを、共有して全サポートに反映して欲しいと伝えた。

 

シニアアドバイザー氏の対応

「問題を切り分ける」ために遠回りしたことを詫びた。 「すべての設定をリセット」が今回のケースでは有害無益だったことが、念頭にあったと思われる。 こちらが協力的であったことに感謝した。