カテゴリー「道具」の14件の記事

2017/10/12

iPad で室内楽

iPad に楽譜を映して弾くという話をちらほら聞き始めた頃、「ボロメーオSQ」という名前が耳に入り、ブルーローズに聴きに行った。
iPad でなく MacBookPro を使っているらしいのは既に聞いていて、横長画面に見開き二頁の楽譜を映すのだろうかと想像していたが、見たら違った。映していたのは一頁だけ。
画面の縦の長さが理由だっただろうか。

その後に、この記事を読んだ:

 

印刷された楽譜の代わりに、みんなでMacBook Proを使って演奏するというのがおもしろい

 

その時はまだ、自分で室内楽を弾くのを再開していなかったし、iPad Pro も存在せず画面が小さ過ぎるのではないかと思って見送っていた。
ただし、紙の楽譜から離れた理由は強く印象に残っていた。

 

なぜ楽譜をデジタル化するかについては、まずはスコアを見ながら演奏したいというのが出発点だったとか。ヴァイオリンのニコラス・キッチンによれば、パート譜で演奏していたころは、練習時間の多くが他人が何を弾いているのかを確かめるために費やされていたけど、4人がスコアを見れば効率的である、と。さらに「作曲家がアンサンブルに同一性を求めなかった場合でも自信が持てる」ということで、ベートーヴェンがそれぞれの楽器に異なる弾き方を要求しているときに、すぐに発見できるのが利点。さらに練習では手稿譜もデータで参照しているそう。

 

その本番で、手稿譜を使っているのを見た。
繰り返しや da capo は、単純に演奏順に頁が並ぶように、つまり必要によっては同じ頁を二枚入れた pdf ファイルを作っていると聞いた。

 

二年ほど経って、iPad Air 2 は既に家にはあり piaScore の存在も知ってから、十数年振りに弦楽四重奏を弾くことになった。
iPad Pro はまだ世に出ていなかったように思う。見開き二頁見られる A3 の画面があったらよさそうだと思った記憶があるから。
ともかく、この時は紙の楽譜を使った。せめて A4 大の有効画面が欲しいと思ったのと、ペダル (AirTurn PED) を買うのに躊躇したのが理由。

 

だが、「スコアを見ながら」は気になっていたので、紙で実行してみることにした。
コピー機が扱える大きさで A3 を紙の一頁にし、そこに楽譜の四頁を収めると、見開きでスコアが八頁になる。そこに一楽章が収まったのだったか、長い休みを使って一回譜面をめくることにしたのだったか忘れたが、その巨大な楽譜を使って演奏会の本番まで弾けた。
ただし、この大きさの紙を譜面台に載せても縁が垂れてしまうので、A3 のボール紙を二枚つないだものを支えとして載せ、その上に楽譜を置いた。
二重奏やチェロアンサンブルで全パートを見ながら弾く経験が少しはあるが、弦楽四重奏では初めて。

 

まず、初見で弾くのがとても楽。誰が何を弾いているか (弾くべきか) を知って弾くので、落ちる (現在、譜面上のどこを弾いているかわからなくなる) ことがほぼなくなる。
曲の全体像が見えているので、自分が誰と一緒に弾くのか、あるいは誰から受け取って誰に渡してフレーズになっているのか、わかって弾くようになった。合せる前に予習しておくべきことだけれど、昔はできていなかった。

 

そうこうしている内に iPad Pro が出た。次の演奏会の予定が決まったところで、Apple Pencil と AirTurn PED と一緒に買った。
piaScore を入れてみたら、基本機能 (無料版) として pdf 楽譜が表示できるが、IMSLP にあるものは pdf ファイルを意識することなく、直接検索して使える。
有料版にすれば、一頁ごとの写真ファイルから一連の楽譜が作れるので、紙の楽譜をスキャンして使うこともできる。
なお、piaScore を試すのは iPhone でも可能。演奏は難しそうだが、楽譜を読むだけならこれで充分。

 

iPad Pro なら Apple Pencil が使えるので、書き込みは鉛筆で紙に書くのと大差なくできる。書き込みに層構造が使えるともっと有り難いのだが、今は一層しかない。色分けできる利点はあり、紙と同様に「消しゴム」で修正することもできる。
臨時記号や弓記号などの「スタンプ」が使えるが、これは練習中に書き込むのは難しい。とりあえず Pencil で書き込んでおいて、後で綺麗にするのには使える。
テキスト機能もあるが、これはペダルが bluetooth keyboard に見えているようで、ペダルを切るかペダル側のボタンを押さないと文字入力ができない。これも、一人の時に綺麗に書き直すのに使う程度。

 

予想外に苦労しているのは、ペダルの扱い。
単純に左右二つのスイッチがあるだけなのだが、靴底によって動作が違って感じられるし、意図せず二回踏んでしまうことがあって、慌てて戻すことが割とよく起きる。
頁を上下半々に分けてめくる機能があり、これは先読みできるので便利。ただし、踏み間違いで戻る時には混乱する。
iPad を横長に置くと、二頁表示になる。これも、二頁単位でめくることと、一頁ずつめくって先読み可能な表示にすることができる。
ペダルの bluetooth device としての pairing は、最初に一度やればよいはずだが、デバイスが iPad から見えているのに譜めくりができなくなる事故が、数回あった。これは、双方でペアリングを reset し、最初からやり直すと再び使えるようになった。

 

この後、iPad Air 2 も楽譜として使うようになった。軽いことの利点が大きい。
画面が小さいことは、案外問題にならない。譜面が明るいことが効いているようだ。管弦楽でスコアで弾くことはあまりなさそうだが、pit に入って使うのには圧倒的に紙より便利だと思う。
書き込みは、指ではかなり雑にしかできないが、「iPad 用」を謳った stylus (?) を使えば、そう困らない程度には書ける。

2015/05/21

記譜可能騒音

近所のマンション建設現場で、不快な騒音が始まった。サザエさんの屋外場面で使われている「音楽」。日曜は休業なので静かだが土曜は平日と同じく朝からやっていて、苦痛で叫びたくなる。
探すと、同じ苦痛を抱えている人がいる。
 
 
この例とは違って「延々とエンドレス」ではないが、エレベーターが動く時に鳴るようだ。朝一番は運び上げるものが多いのか数十分続けて鳴り、その後間歇的になる。そうなると、罪は工事会社よりもエレベーター製造会社にあるように思う。
 
似たような例で、自動車工場を見学した時に見た無人搬送車が、何かのメロディを始終鳴らしていたのを思い出した。動くもの警告するために音を出すのは、必要なことだろう。ハイブリッドや完全電動の自動車で話題になったように。
しかし、警告音が、意味を持つ「記譜可能」な音である必要はないだろう。音程の変動しない、ベルやブザーのようなものであって欲しい。音程が聞き取りにくいホワイトノイズであれば、助かる。
こういう騒音を無視できる人も多いのだろうと思う。しかし、私の家族は、皆叫びそうになっている。
(サザエさんの番組の中で一話に一回出てくるのは、苦痛でもないし、情景の描写として聞いている。苦痛なのは、文脈を無視した使用と繰り返しである)
 
このような、「音楽」とは言いがたいが譜面に書き取ることができる「記譜可能騒音」は、他にもある。
駅の「発車メロディ」:
 
 
これも苦痛である。旅行先で一度聞くだけなら、そんなものかとやり過ごせる。しかし、生活路線で毎日同じものを聞かされるのは、大変な苦痛である。
上り下りで違う「メロディ」を使う駅も多い。上下線のメロディを混ぜて聞かされるのは、さらなる苦痛である。
なぜ、こんな騒音をわざわざ作って宣伝までするのか。
発車ベルは、騒音ではあったかも知れない。しかし、叫びたくなるほど不快なものではなかった。
 
私は、「記譜可能」と言っても、聞いた音がすべて音名になるほどではない。しかし、
 
 
を信ずるなら、私には記譜できないような音でも音名が浮かぶ人もいるようだ。そういう人の苦痛は、私の苦痛をはるかに超えた絶大なものだろうと思う。
 
別の事例を探して、煙草に思い至った。
私は子供の時から、煙草を不快かつ危険 (火災の意味で) なものだと思っていた。しかし、その蔓延度からして、これから逃れることはできないものと諦めていた。
中学の時、数学の先生が嫌煙運動を立ち上げたことを知ったが、蟷螂の斧の虚しい活動だと見ていた。
しかし、その後の展開は私の予想とは大きく異なった。今のように、まともな店は禁煙になり、職場も息ができるようになるとは、1990 年代でも想像できなかった。
公道に煙を流して火を振り回す輩は消えないけれど、革命的な改善が達成できたと思う。
 
それを考えると、記譜可能騒音も諦めてはいけないのかも知れない。苦痛に感じている人が、地道に声を上げるべきなのではないか。
鉄道会社にもエレベーターメーカーにも苦情を言い続ければ、いずれは改善されることもあるかも知れない。
自分が生きている間には実現できなくとも、それをするのが若い世代に対する我々の義務なのではないかと感じている。

2012/02/02

一時間おきタイマー

賃貸住宅に住んでいるが、空調機のタイマーは一時間単位でしか入る時刻を指定できない。洗濯機は自分で買ったものだが、これも同様である。正確には、空調機は指定の温度に到達する時刻、洗濯機は洗い上がる時刻までの経過時間の指定だが、60 分刻みでしか指定できないことに変わりはない。
これは非常に不便である。
洗濯機は、朝起きる時に洗い上げて、それ以上に早くから音をたてないで欲しいし、暖房を入れる際、起きる前に指定温度になっていても電力の無駄である。
仕方がないので、寝る前に時計を見ながら、いつタイマーを仕掛けるかを考える羽目になる。

空調機については、これよりも十年近く前に自分で買ったものは、十分単位で時刻を指定できた。賃貸だから最低級のものが付いているが、高級機を買えば十分単位で指定できるのだろう。しかし、タイマーの電子回路にわざわざ機器の等級による差をつける方が、合計の製産費用は高くなるのではないかと疑いたくなる。そんな基本機能でなく、「マイナスイオン」だの「プラズマなんとか」だの、妖しい付加機能で差をつければよいのではなかろうか。換気機能などは、高付加価値のために高価格が受け容れられるものだと思う。

洗濯機についても、いつ洗濯しているかわからないような超高級機であればタイマーの分解能が粗くても問題はないだろうが、なぜこのような仕様を思いついたのかが、理解できない。もちろん、一時間単位で困らない利用者もいるだろうけれど、それでは困る利用者もいることに思い至らないのだろうか? ある社の洗濯機のページを見てみたが、機能比較をしてもタイマーについては何もわからなかった。取扱説明書を片端からダウンロードして読んでみないと、自分が求めるタイマーは得られそうにない。


これらの機器に、せめて十分単位の分解能のタイマーが付いていて欲しいと思うことは、ごく特殊な要求なのだろうか?

2009/12/11

烏口

工学部を出たので、専門が電気でも製図は必修だった。三十年ほど前、まだ CAD という言葉は一般的でなく、一部のクラスが「コンピュータ製図」の試行対象になっていたが、私のクラスは昔ながらの製図実習だった。

それまで、烏口というのは漫画を描くための道具と認識していたのだが、私のクラスでは烏口を使うことが要求された。wikipedia にはインクとあるが、墨を磨っていたように思う。あるいは記憶違いか?
他の製図のクラスでは「ロットリング」と固有名詞で呼ばれる万年筆が一般的で、入学祝に頂いたセットがあったのだが、日の目を見ることはなかった。
その製図の先生は、線の最後まで平行な (太さ一定な) 線の引ける烏口を使って、線の外側も内側もきちんと直角になった作図をすることを、重視されていたのだ。
先生が期待されるレベルの直角が描けるようになったとは思わないし、その後製図に活用することもなかったけれど。

当時は「コンピュータ製図」クラスになれなかったことを恨めしく思ったが、このごく単純な構造 (しかし、一万円の精密な品を買ったような気がする) の道具を使うことができたのは、よい経験であった。
私が専門課程にいる間に、その先生の訃報に接した。あの頑固な先生が早逝されたことを、残念に思う。

どの分野であれ、今でも烏口を使っている頑固な方がいらっしゃるだろうか?

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2009/09/07

autopagerize

最近、twitter (正確には fiendfeed) にアクセスする頻度が高くて、他のサイトを見る頻度が落ちているのだが、その強い味方が autopagerize。

窓の杜の説明がわかりやすいと思うが、web browser に Firefox を使い、Greasemonkey  という add-on を入れた上に入れるものなので、設定は少々面倒。でも、ページが分かれているさまざまなサイトで、スペースバーでスクロールして行くと、ページの下端に達した時に次のページを読み込んで続けて表示してくれる。

ブログの最新日記を表示してスクロールして行くと、過去の項を続けて読むことができる場合が多い。

2009/09/01

風呂洗い

二十年物のマンションに住んでいるのだが、東京ガスの TES という給湯暖房システムが付いている。
給湯はいい(それでも、配管の太さで囲い込みが謀られているらしい)のだが、そもそも温暖な地域なので、暖房はほとんど出番がなかった。まして、最近の電気(ヒートポンプ)エアコンの効率を考えたら、温水暖房機など出る幕はない。

問題は、風呂の追い焚きである。東京ガスのページを見ると、現行製品は 80℃ の温水を使っているようで、それなら実用になるのかも知れないが、二十年物の TES では、少し温度を上げるのがやっと、という印象だった。結局、この機能はほとんど使っていない。

しかし、熱交換器はある訳で、そこに湯垢が溜まることは避けられない。
ここしばらく掃除をサボっていたのだが、ついに風呂桶の方まで湯垢が流れてくるに至り、止む無く掃除をした。

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上が熱交換器、下がそこに蓋を被せたところである。熱交換器をむき出しにして掃除できるところは、ガス釜直結風呂より便利ではあるのだが、使っていない機能のために掃除するのは、何とも無駄な気がする。熱交換器も蓋も撤去してしまうべきか....

2009/08/30

friendfeed

Twitter をアクティブに使い始めているのだが、この記事を教えられて、friendfeed を使い始めた。とても便利。
Twitter との間はほとんど継目がないし、今まで RSS reader で読んでいた blog を全部ひっくるめて、グループ分けして読める。

Twitter に利用登録したら、すぐに friendfeed にも登録 (Twitter の ID をそのまま持って行ける) するのがよいと思う。

2009/08/14

多焦点眼鏡 / コンタクトレンズ

私は 40 歳の時に多焦点眼鏡を始めた。遠近の差が小さい時から始めた方が慣れやすい、という視能訓練士 (ORT) の意見を採用したからだ。
彼によると、35 歳では、遠近の差が 0.5 ジオプトリー、40 歳で 1.0、45 歳で 1.5 というのが、標準的だそうだ。私は現在、1.0 ジオプトリー差の多焦点レンズをかけている。

そこの眼科医は、45 歳で多焦点レンズを始めて、あんまり気持ちが悪い (酔ったようになるらしい) ので断念しようかと思ったそうだ。私は、差が小さいので始めたので、ほとんど違和感なしに入ることができた。

さて、元々近眼だし多焦点レンズを使っていたので、老眼を意識する機会がほとんどないのだが、水泳とスキーのために持っているコンタクトレンズを使うと、調節が全部自分の眼にかかってくるので、急に自覚させられることになる。先日プールに入るので一年ぶりにコンタクトレンズ (一日用) を使ったら、パンフレットの文字を読むのに窮した。一年分の変化を一気に感じた訳だ。
一方、たまにしか使わないと、レンズを眼に入れるのにも苦労する。この夏最初の機会には、片目はすんなり入ったものの、反対側で十五分くらい格闘する羽目になった。三度目になって、ようやく数回のトライで入るようになったが、まだ不安が残る。

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2009/08/13

杖を突く側

整形外科の医師が書いていたことだが、片方の脚を悪くした時、杖をどちらに突くのがよいか、ご存知だろうか?

正解は、痛くない脚の側に突く、である。ところが、街中で観察すると、逆に突いている例が非常に多いそうだ。的確な指導が行われていない。
正しく杖を使う

なぜそちらに突くかと言うと、杖は、痛い脚に体重がかからないようにするためのものだからだそうだ。私には直感的でなかったのだが、痛い側に突くと、杖と痛くない脚を一緒に動かしてしまうことになり、痛い脚で体重を支える瞬間が生じるのだろう。

この他にも、長さ、持ち方など、気を配る必要があるのに軽視されていることがあるそうだ。お近くに杖をお使いの方があったら、気を付けて見てあげて下さい。

2009/07/06

ヴィンテージカー

V1

V2

近所に無造作に駐まっていた車。車には詳しくないが、半世紀くらい経っているのではなかろうか。

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