カテゴリー「ユーザインタフェース」の22件の記事

2017/10/12

iPad で室内楽

iPad に楽譜を映して弾くという話をちらほら聞き始めた頃、「ボロメーオSQ」という名前が耳に入り、ブルーローズに聴きに行った。
iPad でなく MacBookPro を使っているらしいのは既に聞いていて、横長画面に見開き二頁の楽譜を映すのだろうかと想像していたが、見たら違った。映していたのは一頁だけ。
画面の縦の長さが理由だっただろうか。

その後に、この記事を読んだ:

 

印刷された楽譜の代わりに、みんなでMacBook Proを使って演奏するというのがおもしろい

 

その時はまだ、自分で室内楽を弾くのを再開していなかったし、iPad Pro も存在せず画面が小さ過ぎるのではないかと思って見送っていた。
ただし、紙の楽譜から離れた理由は強く印象に残っていた。

 

なぜ楽譜をデジタル化するかについては、まずはスコアを見ながら演奏したいというのが出発点だったとか。ヴァイオリンのニコラス・キッチンによれば、パート譜で演奏していたころは、練習時間の多くが他人が何を弾いているのかを確かめるために費やされていたけど、4人がスコアを見れば効率的である、と。さらに「作曲家がアンサンブルに同一性を求めなかった場合でも自信が持てる」ということで、ベートーヴェンがそれぞれの楽器に異なる弾き方を要求しているときに、すぐに発見できるのが利点。さらに練習では手稿譜もデータで参照しているそう。

 

その本番で、手稿譜を使っているのを見た。
繰り返しや da capo は、単純に演奏順に頁が並ぶように、つまり必要によっては同じ頁を二枚入れた pdf ファイルを作っていると聞いた。

 

二年ほど経って、iPad Air 2 は既に家にはあり piaScore の存在も知ってから、十数年振りに弦楽四重奏を弾くことになった。
iPad Pro はまだ世に出ていなかったように思う。見開き二頁見られる A3 の画面があったらよさそうだと思った記憶があるから。
ともかく、この時は紙の楽譜を使った。せめて A4 大の有効画面が欲しいと思ったのと、ペダル (AirTurn PED) を買うのに躊躇したのが理由。

 

だが、「スコアを見ながら」は気になっていたので、紙で実行してみることにした。
コピー機が扱える大きさで A3 を紙の一頁にし、そこに楽譜の四頁を収めると、見開きでスコアが八頁になる。そこに一楽章が収まったのだったか、長い休みを使って一回譜面をめくることにしたのだったか忘れたが、その巨大な楽譜を使って演奏会の本番まで弾けた。
ただし、この大きさの紙を譜面台に載せても縁が垂れてしまうので、A3 のボール紙を二枚つないだものを支えとして載せ、その上に楽譜を置いた。
二重奏やチェロアンサンブルで全パートを見ながら弾く経験が少しはあるが、弦楽四重奏では初めて。

 

まず、初見で弾くのがとても楽。誰が何を弾いているか (弾くべきか) を知って弾くので、落ちる (現在、譜面上のどこを弾いているかわからなくなる) ことがほぼなくなる。
曲の全体像が見えているので、自分が誰と一緒に弾くのか、あるいは誰から受け取って誰に渡してフレーズになっているのか、わかって弾くようになった。合せる前に予習しておくべきことだけれど、昔はできていなかった。

 

そうこうしている内に iPad Pro が出た。次の演奏会の予定が決まったところで、Apple Pencil と AirTurn PED と一緒に買った。
piaScore を入れてみたら、基本機能 (無料版) として pdf 楽譜が表示できるが、IMSLP にあるものは pdf ファイルを意識することなく、直接検索して使える。
有料版にすれば、一頁ごとの写真ファイルから一連の楽譜が作れるので、紙の楽譜をスキャンして使うこともできる。
なお、piaScore を試すのは iPhone でも可能。演奏は難しそうだが、楽譜を読むだけならこれで充分。

 

iPad Pro なら Apple Pencil が使えるので、書き込みは鉛筆で紙に書くのと大差なくできる。書き込みに層構造が使えるともっと有り難いのだが、今は一層しかない。色分けできる利点はあり、紙と同様に「消しゴム」で修正することもできる。
臨時記号や弓記号などの「スタンプ」が使えるが、これは練習中に書き込むのは難しい。とりあえず Pencil で書き込んでおいて、後で綺麗にするのには使える。
テキスト機能もあるが、これはペダルが bluetooth keyboard に見えているようで、ペダルを切るかペダル側のボタンを押さないと文字入力ができない。これも、一人の時に綺麗に書き直すのに使う程度。

 

予想外に苦労しているのは、ペダルの扱い。
単純に左右二つのスイッチがあるだけなのだが、靴底によって動作が違って感じられるし、意図せず二回踏んでしまうことがあって、慌てて戻すことが割とよく起きる。
頁を上下半々に分けてめくる機能があり、これは先読みできるので便利。ただし、踏み間違いで戻る時には混乱する。
iPad を横長に置くと、二頁表示になる。これも、二頁単位でめくることと、一頁ずつめくって先読み可能な表示にすることができる。
ペダルの bluetooth device としての pairing は、最初に一度やればよいはずだが、デバイスが iPad から見えているのに譜めくりができなくなる事故が、数回あった。これは、双方でペアリングを reset し、最初からやり直すと再び使えるようになった。

 

この後、iPad Air 2 も楽譜として使うようになった。軽いことの利点が大きい。
画面が小さいことは、案外問題にならない。譜面が明るいことが効いているようだ。管弦楽でスコアで弾くことはあまりなさそうだが、pit に入って使うのには圧倒的に紙より便利だと思う。
書き込みは、指ではかなり雑にしかできないが、「iPad 用」を謳った stylus (?) を使えば、そう困らない程度には書ける。

2016/09/11

楽譜と鍵盤

弦楽器を弾く仲間に、楽譜を読むのが苦手という人が少なからずいる。

その人達と話している中で、「今使われている楽譜は鍵盤楽器用にできているから」という言葉が出てきて驚いた。

弦楽器は、音の高さと弦を押さえる位置が対応している (正確には、振動する部分の長さと周波数が反比例) が、楽譜上の音符の高さの差は半音も全音も同じでピアノの白鍵に対応している、という主張 (A) だった。

私はピアノが最初の楽器だが、そういうことを考えたことはなかった。

私が自分で考えている楽譜の読み方 (B) は、

  1. 音符の高さを読む
  2. 音の高さを認識する
  3. その音の鍵盤を弾く

である。A の主張は 1. から 3. に直結しているというものだと思うが、B では 2. が重要で、音を経ずに鍵盤に到達するのはかなり難しい。不可能とは言わないけれど。

A の主張をする人は、頭に浮かんでいる音の高さに押える位置を対応させて弦楽器を弾いているのだろうと想像しているように感じた。

楽譜が五線になる前、主な使い道は歌ではなかったろうか。音符が音に対応するのが、最初の使われ方であったように思う。

そう言えば、ピアノは白鍵より黒鍵の方が使用頻度が高い気がする。弾きやすいから。最初こそ白鍵から習うが、自分が弾きやすいのは Des, Ges, H dur あたり、つまり黒鍵五つと白鍵二つを使う調。♭   を見た時、白鍵の隣の黒鍵と認識することはなく、まず音が移動してから対応する鍵が浮かんでいるようだ。

2016/01/24

スキーバス軽井沢事故とエアバス名古屋事故

碓氷の事故は、もしかしたら、「フィンガーシフト」が原因なのか?http://transprincess.blog.fc2.com/blog-entry-882.html

という記事を教えてもらって読んだ。

回転数が合わないので、ギアチェンジ自体がキャンセルされてしまいます。

さらに恐ろしいのは、ギアはキャンセル前の4速や5速ではなく、

ニュートラルの状態になってしまうという事です。

ということも知らなかったが、

実際見た目上は、ギアは低速にちゃんと設定されています

には驚愕した。

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2016/01/15

Universal Design 特に赤緑識別

Universal Designの教育を受けているにも関わらず、赤緑を識別できる人にしかわからないような資料を作る人が少なくない。
色の識別が難しい人は男性には多いはず。百人の男性の知り合いがいれば数人は出会っていると思うが、気付かずに過ごしているのだろう。
そういう人にどう見えているか、私も想像するしかないのだが、下のようなページの例を参考にしてよいのではないだろうか。

(1) 4枚並んだ野菜の写真の中で、PDからトマトやブロッコリーをみつけるのが、どれだけ大変か。

http://www.happycolors.net/simulation.html


(2) 下のページの「16. 電光掲示板」で、「のぞみ」と「ひかり」の区別があることを、感じられるか。

http://www.happycolors.net/simulation-list.html

(3) 下のページで、一般的なUNOに参加することの負担を感じ取れるか。

http://www.shiga-med.ac.jp/~hqophth/farbe/miekata.html

(4) 下は操作が面倒だが、各種の色弱で色鉛筆がどう見えるかが多少なりとも把握できるように思う。

http://www.color-blindness.com/coblis-color-blindness-simulator/

2013/09/17

QWERTY キーボードとタッチパネル入力と英語と日本語

前に、「smartphone は日本語以外で画期的だった」  という記事を書いてから、そういう指摘は方々で既にされていたことに気がついた。
一方この記事は、自分のしていることを観察して感じたこと。

ある日本の友人は、日本語を解さないご友人も多いようで Facebook にしばしば英語で投稿している。
それにコメントを書く時、自分が PC に向ってハードウェアキーボードが使えるなら、迷いなく英語で書いていることに気がついた。
ところが、その投稿を見るのが iPhone であった場合、よほど必要性を感じない限りは日本語でコメントしているのであった。

iPhone はタッチパネルなのだから、QWERTY 入力にすることは難しくない (ローマ字 QWERTY キーボードは削除してあるので、地球マーク一押しの切替である)。
画面が縦だとミスタッチが多いが、横にすればその問題も避けられる。
しかし、QWERTY キーを「見ながら」入力するのが、私には大変苦痛なのだということを改めて認識した。
日本語を 10 キー表示で入力する時だって、iPhone ならばキーを見ないで入れられる訳ではない。ハードウェアキーを持つ日本の携帯電話に比べたらはるかに面倒な作業である。
それでも、タッチパネルで入れるには、キーの数が少い日本語の方が QWERTY しか現実的入力手段を知らない言語より自分には抵抗が小さいというのに気がついて、意外に思っている。

私はタブレットを持っていないのだが、ハードウェアキーボードを付けない限りは、あまり使いこなせないかも知れない。

Tweet ATOK による英語入力

なお、iPhone で英語を入力するには、Tweet ATOK  が日本語に限らず便利である。

キーボードの切り替えには、切替キーをタップする方法しか書いていないが、
ATOK Pad と共通の 設定の変更 -> キーボードや変換などATOKの設定を変更する -> ●キーボード -> 使用するキーボード -> 画面の向きごとに選択
を [オン]にすると、[キーボード選択(縦画面)]と[キーボード選択(横画面)]を独立に設定できるようになる。ここで、縦を「テンキー 日本語」横を「QWERTY 英語」にしておけば、iPhone を横にするだけで QWERTY に切り替わり、縦にすれば日本語 10 キーに戻る (おそらく、iOS レベルで縦横切替をロックしていてはだめだろう)。QWERTY 入力には横長の方がミスタッチが少くなるから、大変使いやすい。

さらに、候補の選び方(推測変換) には日本語についてしか書いていないが、英語入力でも (辞書と使用単語履歴を使った) 推測候補を出してくれる。
推測候補は、単語の冒頭を入れた時にも出るし、前の単語を確定した時点でも次に来る単語の候補を出してくれる。確定した単語の後には必ず空白が入るが、気にせずに句読点を入れれば、それは空白の前に入れてくれるから、スペースを気にする必要はほとんど感じない。

日本語と同じく、入力しかけで放置しておいても、その状態を保存して復元してくれるので、長いものを少しずつ書き貯めるのにも適している。
一つ大きな問題は、ミスタッチで書きかけのものを Twitter に投稿してしまう事故があり得ることだが、それは専用の private 設定のアカウントを取っておけばよいと考えている。
tweet してしまったテキストは入力画面からは消えるが、タイムラインからコピーして来ることはできるので、書き貯めたものを失うことは通常はない。

2013/06/13

Facebook のニュースフィードは新聞の一面

Facebook 利用者からよく聞く不満に、友人の投稿を全部見られないというものがある。
ニュースフィード (ホームに表示される更新情報) が、友人の全投稿を尽くしていないことに対する不満である。
私自身は、とても全部は読み切れないので一部の投稿だけが表示される場所があることを有難いと思っているのだが、全部読みたいという要望もわかる。

要望は要望として、ニュースフィードは新聞の一面のようなものだと理解しておくのがよいと思う。一面に載せられる記事はごく一部で、全部を読みたい時には、それぞれのページを見なければならない (紙の新聞なら、そこにも紙面の制約がある訳だけれど)。
ニュースフィードに載るものは有限だと理解した上で、その選択基準 (アルゴリズム / 評価関数) には私も不満があるし、そこを自分好みに変えたいというのはよくわかるところだが。

友人のリストを作ってそこを見るようにすると、ニュースフィードでは読めなかった投稿が読めるという経験は、私を含めて複数の人がしている。
それでは、リストに全友人を入れたらどうなるか。私の場合は友人が多過ぎて非現実的なので試していないが、これで解決する方はあるかも知れないと思っている。
もし試した方がいらしたら、ぜひ結果を教えて下さい。

2012/05/14

トイレ清掃のスケジューリング

昔、千代田線の根津駅でトイレに行こうとしたら、清掃中だった。この駅のトイレはホームの両端にあるので、ホームを歩いて反対側に行ったら、そちらも清掃中だった。
利用者のことを考えていない、と憤る以前に、なぜそんなことが起き得るのか考えた。
おそらく、トイレが端にある駅が多く、駅ごとに清掃担当が決まっているのでなく綾瀬側のトイレの担当と代々木上原側の担当が分かれているのだろう。両担当は独立に作業をしているので、運が悪いと同じ駅の二つのトイレを同時に清掃閉鎖してしまう事故が発生するのではなかろうか。

場面は変り、職場のビル。トイレは、各階に一箇所である。それを仕事時間に清掃するのは、コスト面から必要なのだろうと思う。しかし、自分のいる六階のトイレが清掃中だから五階に行ってみると、そこも清掃中ということがある。これも担当分割問題だろうか。五階までの担当と六階から十階の担当が分かれていて独立に作業を進めているため、五階と六階を同時に清掃することが起きてしまう。
作業開始の時刻が決まっているのなら、「どの担当も上階から始めて下へ進んで行く」と決めることで、こういう事態の発生確率はずいぶん下げられそうな気がする。
利用者としては、担当分割階を推測して、そこを跨がないように次のトイレを探すのが、現実的な対策になりそうだが。

2012/05/13

自転車のナビと充電

連休に自転車で北海道まで行ったという友人が、道を何度か間違えたから次は GPS を持って行こうと言っていた。
彼は iPhone を持っているので、それを自転車に固定できれば解決するのではないかと問うたら、電源問題でできないのだと言う。
言われてみると、昼間中使うためには補充電が必要だろうし、そもそも交流電源のある宿に泊ることは少いのだそうだ。
GPS は、単三電池駆動なので電池を使い捨てればよく、iPhone は限られた目的にのみ使って、三日くらいもたせるという話だった。

現代はどのような旅でも電源が必要な機器が多いけれど、大きな電力が必要なものは少なかろう。自転車でも、例えば USB の仕様の充電能力を持っていると便利なのかも知れない。
自動車は、二十年前には「シガーライター」という標準給電端子を持っていたが、今はどんな形の電力を供給できるのだろう。電気自動車の受電側は、例によってガラパゴス化したようだが。http://clicccar.com/2012/05/05/146674

2012/03/09

駅の停車位置

よく乗る路線に、10 輛の列車と 8 輛の列車が混在している。
10 輛の列車が停まる位置は、設備の許すぎりぎりのところだろうと思うので、10 輛の列車同士が並んで停まらないのは理解できる。ずれていても仕方ない。
しかし、8 輛の列車については、10 輛の停車位置に対して 2 輛分の調整余裕があるだろうと思う。
それならば、8 輛の列車同士であれば、並べて停めるのは難しくないのではないだろうか。
だが、実際にはずれて停まる駅があるのだ。ホームの向い側に乗り換えるのに、同じ号車の同じドアに乗るためには、移動しないといけない。

どういう制約のために、ずれて停まらなければならないのだろう。大した不便ではないし、理由がわかればすっきりするのだが。

2012/02/12

私鉄の色分け

旧国電や地下鉄の電車は、色によって路線がわかることが多い。もちろん、乗り入れによって違う色の電車が来ることも多いけれども。

しかし、元からの私鉄はそうは行かないところが多い。京成、京急、小田急、京王、西武、東武、どれも途中に分岐があるし、東急にしても、同じ車輛が別の線も走ることがありそうだ。
京王の場合は、井の頭線だけ別の色になっているが、井の頭線と本線系統を乗り間違える人はほとんどいないだろう。本線系統の中での乗り間違いを、色によって防げないものだろうかと思う。

車体の色を変えるのは、少なくとも現時点では廉価には実現できないだろう。しかし、列車の前面や側面の電光表示はさまざまな色が使えるようになった。列車種別を表すのには使われている。種別色との文脈を区別するのが難しいが、行先方面を色で表す努力をしたら、無駄にはならないように思う。

例えば小田急。下りは江ノ島線、小田原線、多摩線の三色。上りは新宿方面と千代田線方面の二色。併せて五色を行先の文字そのものか枠に使えば、徐々に定着して行くのではないだろうか。列車種別色と行先色を分けると、色数が多過ぎて中間色も必要になり、却って混乱しそうだ。むしろ、「種別色―行先色」の二色の組合せを常に使うようにすれば、利用者が慣れてくるように思う。
種別色は今のままとして、江ノ島線を青、小田原線を赤とすれば、「赤青」が急行江ノ島線行き、「黄赤」が準急小田原線行き、という具合である。
通学の小学生に、最初つまり一年生になる時にどの電車になら乗ってよいかを教えるのは、かなり難しいことだろうと思う。二色の組合せなら、その場面でも使えるのではないかと思うのだ。