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2009/03/19

京王新線

新宿から京王線に乗るとき、京王線と京王新線の二本がある。最初の二駅、初台、幡ヶ谷には京王新線しか停まらないのだが、ここへ行こうとして苦労する人の話を、時々聞く。京王新線が分かれてもう三十年だそうだが、初めてここに来る人にはこの形態が古かろうが新しかろうが同じこと、案内がうまく行っていない。

新宿からすぐ近くの京王の駅 (初台、幡ヶ谷) に行きたいので京王線の新宿駅に行く、これは京王 (社名。「京王線」という名前は、新宿から出る二本の線の内、元からある深さの浅い線と、笹塚で二本が一緒になってから先の八王子までだけを指すのだから、さらにややこしい) に詳しくない人が取る自然な行動だと思う。「京王新線初台駅」と案内されていても、京王新線と京王線が並行していて新宿駅が分かれているという仕組を知らなければ、新宿でまず「京王」の文字を探すだろう。駅前探険倶楽部や NAVITIME で調べて来た人も、乗るべきなのが「京王新線」ということはわかるが、乗換駅は「新宿」としか表示されないので、この仕組はわからない。

京王の新宿の二つの駅の内、新線新宿は名前からして何か特別な駅であるらしいことがわかるが、「京王線の新宿駅」という名前には、他の駅の存在を匂わせるものがない。そこまで行ってみて初めて初台などには行けないことがわかるというのが、注意深い人の経験するところ、多くの人は、各駅停車に乗って笹塚まで連れて行かれてから初台がなかったことに気付くことだろう。

「京王新線」という今の名前を活かすなら、今の「京王線」を「京王旧線」と言い換えるくらいのことをしないと、初台に行く人が疑いもなく「京王旧線新宿駅」に行ってしまうことは防げないのではないだろうか。しかし、京王新線ができた経緯を忘れてしまえば、新線という名前はこの線に相応しくない。私は京王新線ができた時を知っているが、最近の利用者には、どちらが新線かなど要らない情報だろう。それより大事なのは、新宿―笹塚間で二本の線があり、異なる性格を持っていることを表すことだと思う。

この点で成功しているのは JR 中央線で、お茶の水から三鷹の間は快速線と各駅停車線が並行しているが、利用者はそれぞれを「中央線 (橙)」「総武線 (黄)」と呼んで別の線だと理解している。 (快速が運転を休止する早朝や深夜には、混乱する人もあるが、それは別の問題なので置いておく)
それに倣うと、京王も、二本の線に別の名前を与えて別線であることを明確にすれば混乱を防げるのではないか。

二本の線は、新宿の駅の位置を除けばほとんど並行 (深さには上下があるが) しているので、まず新宿の駅の位置によって命名することを考えた。しかし、「角筈」「淀橋」などの由緒ある地名があるものの、現代では忘れられ、必ずしも二つの駅を区別できる位置関係ではない。
そこで次に考えたのが、機能による命名である。「快速線」「各駅線」という名称も考えたが、快速が列車の種別として既に使われているという問題がある。そこで、「新線」の機能を考えると、

  1. 都営新宿線に連絡する
  2. 初台と幡ヶ谷に停車する

の二つがある。これによって命名すると、

  1. 京王都営連絡線
  2. 京王初台幡ヶ谷線

になる。これに対して、現「京王線」は、せめて「京王本線」と名付けるべきだろう。さて二案のうち、1. は京王と都営が並んでしまうのが問題だ。2. は長いので「初幡線」などと略す考えもあるが、敢えて二つの駅名を並べることで、案内上のメリットが生じると思う。京王の構内では、現在でも必要に応じて「京王新線 (初台、幡ヶ谷方面)」のように表示できる。しかし、京王の外では、線名である「京王新線」しか表示されていない。ここを、「京王初台幡ヶ谷線」に変えることで、京王の二つの駅に至る案内に、

・京王本線
・京王初台幡ヶ谷線

と並べて表示してもらえるようになる。こう書いてあれば、初台と幡ヶ谷に行きたい人が誤って京王本線の駅に行ってしまう失敗を、かなり減らせるのではないかと思う。


  • 各社の新宿駅構内図
    • 京王  欄外の記述に気付いた人は初台に到達できるが、それを見落とすとアウト。先に路線図を見ればよいのだが...
    • 小田急  京王新線の存在も書いていない。
    • JR 東日本  京王新線に乗らなければならないとわかっている人なら新線新宿に到達できるが、初台に行きたい人がどちらに行くべきははわからない。
  • Wikipedia 京王新線

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